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2022.07.25

うなぎの栄養・体にうれしい効果について解説【夏バテ防止・美容】

「この暑い夏をうなぎで乗り切るぞ!」とうな重・ひつまぶしなどをオーダーしたことがある方もきっと多いはず。

なんとなくスタミナがつく・体にいいイメージのうなぎですが、調べてみると栄養満点のスーパーフードだと分かりました。

本記事では、こんな疑問を持つ方のためにうなぎの栄養素・体にうれしい効果について紹介します。

うなぎにはどのような栄養・効果があるのか知りたい方は、参考にしてください。

うなぎの栄養素

うなぎ・そのほかの肉について、可食部位100gあたりの主な栄養素をまとめました。

うなぎの栄養素の特徴について解説します。

うなぎの栄養素一覧表

エネルギー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)鉄(mg)亜鉛(mg)ビタミンA(μg)ビタミンD(μg)ビタミンE(mg)ビタミンB1(mg)ビタミンB2(mg)EPA(mg)DHA(mg)
うなぎ(養殖・生)22817.119.30.51.4240018.07.40.370.48580.01100.0
さば(まさば・生)21120.616.81.21.1375.11.30.210.31690.0970.0
うし(和牛肉・かたロース・脂身つき・生)38013.837.40.74.6300.50.060.1700
ぶた(ばら・脂身つき・生)36614.435.40.61.8110.50.50.510.1300
にわとり(もも・皮つき・生)23417.319.10.91.7470.10.10.070.2300
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

タンパク質が豊富

うなぎはタンパク質が豊富で、100gあたり17.1gと鶏もも肉と同じくらいの量です。

タンパク質のほかにカロリーやビタミンのバランスがよく、筋肉を大きくしたい筋トレの食事メニューにもってこい。

ただしカロリーは少なくないため、ダイエット系筋トレには不向きです。

うなぎのカロリー

100gあたりのカロリーは228kcalで、ほかの肉と比較して高くはないものの少なくもありません。

とくに脂の乗ったフカフカなうなぎを食べたいとなると、多少のカロリーには目をつぶった方がいいです。

牛丼・カツ丼など丼物の中でもうな丼が特別ハイカロリーというわけではないですが、気になる方はご飯を少なめにするなど工夫すると安心。

断とつに多いビタミンA

うなぎ100gあたりのビタミンAは、2400μgと断とつの多さです。

厚生労働省によると、18〜64歳における1日のビタミンA推定平均必要量は男性で600〜650µgRAE・女性で450〜500µgRAEとされています。

ここでのµgRAEはレチノール活性当量といい、ビタミンAの量とほぼ同じと考えてOK。

うなぎにはビタミンAがとても多く、必要量摂るだけなら17〜25gほど食べれば十分なのがわかります。

18歳〜64歳の推定平均必要量…男性:600〜650µgRAE/日・女性:450〜500µgRAE/日

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

カルシウムと一緒に摂りたいビタミンD

しっかりカルシウムを吸収するために摂っておきたいのがビタミンD。

そんなビタミンDの豊富な食べ物として、うなぎの名前もよくあがります。

うなぎ100gあたりの含有量は18.0μg

1日当たりのビタミンD摂取目安量は18歳以上だと8.5μgなので、うなぎ50gでクリアできます。

18歳以上の摂取目安量…男性・女性:8.5μg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

必須脂肪酸のEPA・DHA

EPA・DHAは人の体内ではほとんど作れない必須脂肪酸の一種で、青魚などを食べて摂取する必要があります。

100gあたりのサバとうなぎのEPA・DHAを比較しました。

うなぎ:EPA → 580.0mg・DHA → 1100.0mg
サバ:EPA → 690.0mg・DHA → 970.0mg

「EPA・DHAを摂るのにサバがいい」と聞きますが、うなぎも負けていません

うなぎって体にいいの?

うなぎを食べると体にどのような効果があるのか紹介します。

疲労回復効果

うなぎには疲労回復効果があります。

炭水化物など糖質のエネルギー変換をサポートするビタミンB1を多く含んでいるからです。

ビタミンB1が不足していると、疲労物質がたまり疲れがぬけにくくなります。

また、脳の疲労回復にもビタミンB1は効果的。

ブドウ糖から変換されたエネルギーだけが脳の栄養となりますが、このエネルギー変換にもビタミンB1が関わっています。

脳への栄養が不足すると、イライラする・集中できない・眠気などデメリットがたくさん。

「最近忙しくてなかなか疲れがとれない」という人は、食事にうなぎを使ったメニューを選んでみてください。

ダイエット効果

カロリーだけを考えると、うなぎはあまりダイエット向きではありません。

ですが、新陳代謝を正常に保つビタミンB1・ビタミンB2といったビタミン・ミネラルが豊富。

新陳代謝が低下するとカロリーを消費しにくい体になり、ダイエットの効率が悪くなります。

健康的で痩せやすい体を維持するためにビタミン・ミネラルは必須です。

新陳代謝が活発だとカロリーを消費しやすく太りにくい体になるため、リバウンドの可能性が減ります

ダイエット向けの体作りにうなぎがおすすめといえます。

男女別の効果

男性・女性それぞれのうれしい効果も注目してみましょう。

男性は「うなぎは精がつく食べ物」といわれるように、日常をアクティブに過ごせるようになります。

  • 免疫力を高める
  • 代謝をよくして成長ホルモンの分泌を促進
  • 血流をよくする
  • 生殖機能の向上・改善
  • コレステロール・中性脂肪を減らす

ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・亜鉛などが免疫力を高め、ビタミンB群が代謝をよくします。

さらにEPA・DHAが血流をよくし、亜鉛が生殖機能を改善と、体のさまざまな機能を元気にしてくれます。

免疫力の向上や代謝・血流がよくなる・コレステロールや中性脂肪の減少といった効果は女性にも共通です。

女性が気になる効果をピックアップすると、

  • お肌・ツメ・頭髪などの健康を保つ
  • 老化を防ぐ
  • 貧血予防

ビタミンA・ビタミンB群がお肌・爪・頭髪などを健康に保ち「若返りビタミン」とも呼ばれるビタミンEが細胞の酸化を防ぎ、鉄分が貧血を予防してくれます。

とくに美容面にも効果ありなのがうれしいですね。

生活習慣病・認知能力の低下を予防する効果

うなぎに含まれるEPA・DHAには、生活習慣病や認知能力の低下を予防する効果が期待できます。

生活習慣病になるリスクを高めるのは、次のような状態。

  • 血液がドロドロ
  • 血管が硬くなる
  • 中性脂肪値が高い

これらを改善してくれるのがEPA(エイコサペンタエン酸)で、血液や血管の健康維持に重要な脂肪酸です。

一方、記憶力・注意力など認知能力の維持に必要とされるのがDHA(ドコサヘキサエン酸)。

生活習慣病と認知症は強く関係しているのが分かっているため、日頃からEPA・DHAの両方を摂取しましょう。

骨を丈夫にする効果

うなぎを食べると骨が丈夫になり、骨粗しょう症予防にもなります。

カルシウムを効率的に吸収するためにはビタミンDが必須で、このビタミンがうなぎに多いです。

「牛乳などでカルシウムを摂れば、骨が丈夫になる」と思うかもしれませんが、カルシウムは吸収率が低く牛乳や乳製品からだと多くても50%ほどしか吸収できません。

そこで役立つのがビタミンDで、腸管からのカルシウム吸収をサポートしてくれます。

カルシウムはビタミンDと一緒に摂るのがいいので、うなぎメニューの副菜にカルシウムが多い木綿豆腐・ひじき・厚揚げなどを添えてみてください。

うなぎの栄養についてよくある質問

うなぎの栄養について、よくある質問とその答えをまとめました。

うなぎはいつ食べる?毎日食べるとどうなる?

いつうなぎを食べるかといえば、やはり夏の土用の丑の日が思い当たりますね。

うなぎを夏に食べる習慣は古く、奈良時代に作られた万葉集で詠まれ、1700年代終わりに風習になったといわれています。

また「うなぎが好きで毎日でも食べたい!」という人がいるかもしれませんが、食べ過ぎはやめましょう

健康面でのデメリットが考えられます。

たとえば、うなぎに豊富なビタミンAは脂溶性で体に蓄積されやすく、過剰に摂ると腹痛・吐き気・頭痛などの症状が起こることがあります。

カロリーの摂りすぎも気になるため、食べても週2〜3回ほどにしておいてください。

ビタミンCなどの水溶性ビタミンは過剰摂取しても尿として出ていきますが、脂溶性ビタミンのビタミンA・ビタミンD・ビタミンEなどは体に蓄積しやすく、過剰摂取で体調を崩すおそれがあります。

栄養がないって本当?

うなぎにはたくさんの栄養が含まれているので安心してください。

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • EPA
  • DHA
  • ミネラル
  • タンパク質

とくにビタミンA、ビタミンB群、EPA・DHAなどはほかの食品と比べても多いです。

滋養強壮・お肌のコンディションを整える・生活習慣病の予防など、たくさんの効果が期待できるうなぎはメリットばかり。

ただ、上の質問で答えたように食べ過ぎには注意しましょう。

うなぎ不足って本当?

2022年夏のうなぎは不足するかもしれません。

日本国内の養殖池に投入された稚魚が去年よりも少ないのがその理由です。

水産庁「うなぎをめぐる状況と対策について(2022年5月)」によると、2021年の投入量18.1トンに対して2022年は15.8トンと2.3トン減少しています。

確実に食べたい方は、お店や商品を早めに予約しておくと安心ですよ。

うなぎの栄養まとめ

うなぎは、タンパク質・ビタミンといった栄養豊富なスーパーフードです。

疲労回復やお肌のコンディションを整えるなど、夏バテ防止のほかにもうれしい効果がいっぱい。

うなぎの魅力が味だけでないと分かると、健康のためにますます食べたくなりますね。

おいしいうなぎを食べて夏を元気に乗り切りましょう。