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2022.08.12
うなぎとあなごの違いはなに?それぞれ美味しく食べる方法を紹介
うなぎとあなごの切り身はそっくりですよね。
「値段はだいぶ違うけど、味もかなり違うの?」と思う人も多いはず。
本記事では、うなぎとあなごの違いやそれぞれのおすすめレシピをまとめました。
ぜひ参考にしてください。
うなぎとあなごの違い
まずは、うなぎとあなごの違いについて紹介します。
栄養の違い
うなぎとあなごでは含まれる栄養に違いがあります。
可食部位100gあたりのうなぎの主な栄養は次のとおり。
- エネルギー(kcal)…228
- タンパク質(g)…17.1
- 脂質(g)…19.3
- ナトリウム(mg)…74
- カリウム(mg)…230
- ビタミンA(μg)…2400
- ビタミンD(μg)…18.0
- ビタミンE(mg)…7.4
- ビタミンB1(mg)…0.37
- ビタミンB2(mg)…0.48
- EPA(mg)…580.0
- DHA(mg)…1100.0
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
同じように、可食部位100gあたりのあなごの主な栄養は次のとおり。
- エネルギー(kcal)…146
- タンパク質(g)…17.3
- 脂質(g)…9.3
- ナトリウム(mg)…150
- カリウム(mg)…370
- ビタミンA(μg)…500
- ビタミンD(μg)…0.4
- ビタミンE(mg)…2.3
- ビタミンB1(mg)…0.05
- ビタミンB2(mg)…0.14
- EPA(mg)…560
- DHA(mg)…550
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
それぞれの栄養を比較すると、うなぎにはビタミンが豊富とわかります。
一方、カリウム・ナトリウムの多さではあなごの勝ち。
あなごは低カロリー・低脂質でダイエット向けともいえます。
味の違い
うなぎはこってり・あなごはあっさりとした味。
こってりとしたうなぎは濃いタレとよく合います。
一方、あなごは白身魚らしく淡白であっさりとした味わいです。
見た目の違い
うなぎとあなごの外観は似ているものの、よく見ると違う特徴があります。
- あご
- 尾びれ
- 色
- 模様
うなぎのあごは下側が出ていて、あなごは上側が出ています。
尾びれは先端の形が違い、うなぎは丸く・あなごはシュッと尖った形。
色は、うなぎは背中が黒くお腹側が黄色がかった白色で、あなごは全身が薄茶色です。
模様の違いは分かりやすく、白い斑点があるのがあなごでうなぎには模様がありません。
うなぎとあなごの共通点
違いが多いうなぎとあなごですが、共通点もあります。
- 仔魚「レプトセファルス」の形態から成長する
- 完全養殖が一般的ではない
うなぎは回遊魚・あなごは海水魚と生態が違いますが、透明で葉っぱのようなレプトセファルスから成長する点は共通します。
また完全養殖が商業化できていないのは、うなぎもあなごも同じ。
現在のうなぎは稚魚から育てて出荷するのが一般的で、あなごは天然ものを獲って販売します。
うなぎとあなごの美味しい食べ方の違いを比較
うなぎとあなごの食べ方の違いを比較しました。
タレの違い
うなぎとあなご、それぞれに使われるタレは異なります。
うなぎとあなごとでは味が違うため、おいしさを引き立てるタレも変わるからです。
うなぎのタレは、醤油・みりん・酒・砂糖を煮詰めたもの。
一方、あなごのタレは「ツメ」と呼ばれるあっさりしたもので、昆布・椎茸・醤油・砂糖・あなごの骨から作られます。
食べ方の違い
こってりが魅力のうなぎは蒲焼き、ひつまぶし、うな丼として食べられることが多いです。
あなごの長所は柔らかさとさっぱりとした口当たり。
そのため、寿司・天ぷら・酢の物・煮物などに使われます。
あなごの蒲焼きもありますが、うなぎを使ったものよりやさしい味わい。
また、あなごは地方ごとに定番の料理が違うのもポイント。
江戸の食文化の影響で関東だと寿司や天ぷらが一般的で、関西では白焼きや蒲焼きにして食べます。
値段の違い
うなぎがあなごの2倍以上の値段になることも珍しくありません。
それは、絶滅危惧種のうなぎは年間の供給量が管理され、稚魚の値段も年々高くなっているからです。
国産同士の値段を比べると、うなぎは安くても2,000円、あなごは1,000円しないくらい。
あなごも漁獲量が減っていますが、うなぎの方が差し迫った問題となっています。
旬の時期の違い
夏の土用の丑の日に需要が高まるため、養殖のうなぎは7〜8月が旬になるように調整されています。
数は少ないですが、天然のうなぎだと冬眠前の秋〜冬直前が旬。
あなごの旬も6〜8月と養殖のうなぎに似ていますが、さっぱりとした味わいで脂がのるのは冬前。
そのため、あなごの旬は年2回あるといわれます。
あなごでうなぎの代用はできる?
あなごをうなぎの代用にするのは難しいです。
先述のとおりあなごとうなぎは味が違い、向いているメニューも変わるため。
代用ではなく、それぞれの食材が引き立つメニューを楽しむのがおすすめです。
うなぎのおすすめレシピ・メニュー5選
うなぎのおすすめレシピ・メニューを5つピックアップしました。
少ないうなぎで作れる「ちらし寿司」
さっぱりした大葉やミョウガが、こってりのうなぎとよく合います。
【材料】4人前
- 卵:2個
- 砂糖:大さじ1
- ごはん:4膳
- すし酢:90ml
- 白いりごま:大さじ3
- うなぎの蒲焼き:1尾
- 酒:大さじ2
- うなぎのタレ:適量
- 大葉:10枚
- ミョウガ:2個
- 山椒:適量
- きざみ海苔:適量
【作り方】
- ボールに卵2個を割り入れ、砂糖大さじ1を加えて混ぜる
- 熱したフライパンに混ぜた卵を入れて、菜箸で混ぜながら炒り卵を作る
- もともとうなぎに付いているタレをスプーンなどで落とす
- 別の熱したフライパンにうなぎを皮を下にして置き、酒大さじ2を振りかける
- 蓋をして約5分間、弱火で蒸し焼きにする
- 蒸し焼きにしたうなぎを短冊切りにしてひとくちサイズにする
- ごはんにすし酢を加え、すし飯を作る
- すし飯に白いりごま大さじ3、こまかく切った大葉やミョウガを少量加える
- 皿にすし飯、うなぎ、炒り卵、残りの大葉やミョウガを盛りつけ、うなぎのタレを回しかける
- 好みで山椒やきざみ海苔をトッピングして完成
締めも楽しめる「うなぎのひつまぶし」
お茶やだし汁を入れて締めを楽しめるひつまぶしを紹介。
【材料】4人前
- ごはん:4膳
- ミョウガ(みじん切り):適量
- 大葉(せん切り):適量
- 白いりごま:適量
- うなぎの白焼き:1尾
- 三つ葉:4本
- わさび:適量
- きざみ海苔:適量
- お茶またはだし汁:適量
【作り方】
- ボールにごはん、みじん切りのミョウガ、せん切りの大葉、白いりごまを入れて軽く混ぜる
- うなぎの白焼きを食べやすい大きさにカットする
- 器にごはんとうなぎを盛り付け、三つ葉を散らす
- 好みでわさび、きざみ海苔を乗せて食べる
- 〆にお茶またはだし汁を加える
いつもと少し違うメニュー「洋風うなぎ丼」
定番のうなぎ料理に飽きたら、洋風にもチャレンジしてみましょう。
【材料】2人前
- うなぎの蒲焼き:1尾
- ごはん:2膳
- 白ねぎ:1本
- オリーブオイル:適量
- 赤ワイン:100ml
- みりん:大さじ1
- 醤油:小さじ1
- バター:10g
【作り方】
- うなぎの蒲焼きを1口大に切り、白ねぎを斜めに薄く切る
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、白ねぎを炒める
- 白ねぎがしんなりしたら、うなぎを加えて全体に火が通るまで加熱する
- ごはんを盛った丼にうなぎを乗せ、中央にバターを置く
- うなぎを炒めたフライパンに、赤ワイン100ml、みりん大さじ1、醤油小さじ1を入れ、とろみがつくまで煮詰める
- 煮詰めたソースを丼に回しかけて完成
ビールや白ワインのおつまみに「うなぎの香草ソースがけ」
ビールや白ワインにぴったりのうなぎのおつまみも作れます。
【材料】4人前
- うなぎの白焼き:2尾
- じゃがいも:中1個
- アスパラガス:4本
- にんにく:1片
- ほうれん草:150g
- エシャロット:25g
- パセリ:2本
- バジルペースト:大さじ3
- 粉チーズ:大さじ2
- 塩:適量
- コショウ:適量
- オリーブオイル:適量
【作り方】
- にんにく1片、ほうれん草150g、エシャロット25g、パセリ2本をみじん切りにする
- じゃがいも、アスパラガスを茹でる
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、にんにくとエシャロットを香りが出るまで炒める
- ほうれん草、パセリをフライパンに入れてサッと炒める
- 炒めたものをフードプロセッサでペースト状にし、バジルペースト大さじ3、粉チーズ大さじ2、塩、コショウを加えて味を整える
- 皿にうなぎの白焼きを置き、その上に味を整えたソースをかけて電子レンジする
- 付け合わせのじゃがいも、アスパラガスを添えて完成
お菓子感覚の「うなぎの骨せんべい」
うなぎの骨を揚げたらカリカリのせんべいに早変わり。
【材料】
- うなぎの骨:適量
- 塩こしょう:適量
- だし醤油:大さじ2
- 酒:大さじ1
- 小麦粉:適量
- 片栗粉:適量
- 油:適量
【作り方】
- うなぎの骨をよく洗い、水を切る
- ビニール袋にうなぎの骨、塩こしょう、だし醤油大さじ2、酒大さじ1を入れる
- 小麦粉、片栗粉もビニール袋に入れもみ込む
- うなぎの骨を180度の油で揚げて完成
あなごのおすすめレシピ・メニュー4選
おすすめのあなごレシピうを4つ紹介します。
うなぎと食べ比べしたい「あなご丼」
あなごの蒲焼きは、うなぎよりあっさりした味わいです。
【材料】2人前
- ごはん:2膳
- あなごの蒲焼き:1尾
- 酒:大さじ1
- あなごのタレ(付属):1袋
- 山椒:適量
【作り方】
- あなごの蒲焼きについているタレをスプーンなどで落とし、一口大にカットする
- アルミホイルを敷いたグリルに、皮面を下にしてあなごを並べる
- あなごに酒大さじ1を振りかけ、上からもふんわりとアルミホイルを被せて弱火で3分ほど加熱する
- 上側のアルミホイルを外し、あなごのタレを半量ほどかけて1〜2分ほど加熱する
- 丼によそったごはんの上にあなごを乗せ、残ったタレと山椒をかけて完成
あなご料理の定番「煮あなご」
甘辛いタレでごはんがすすむ一品。
【材料】2人前
- 開いたあなご:1尾
- 水:300ml
- 料理酒:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 醤油:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
【作り方】
- あなごの皮面にお湯をかけ包丁の背でぬめりをこそげ落とし、半分に切る
- 鍋に水300ml、料理酒、みりん、醤油、砂糖各大さじ2ずつ入れ、中火で加熱してひと煮立ちさせる
- あなごの皮面を下にして鍋に入れ、落とし蓋をして中火で5分ほど煮込む
- 落とし蓋をとってあなごをひっくり返し、もう一度落とし蓋をして中火で15分ほど煮込む
- 火が通ったらあなごを取り出し、煮汁が半量になるまで煮詰めて火から下ろす
- 器にあなごと煮汁を盛り付けて完成
砂糖の代わりにざらめを使うと、さらにコクが出ます。
簡単・シンプルなおつまみ「あなごの白焼き」
材料が少なく簡単に作れるのがいいですよ。
【材料】2人前
- あなご(開き):2尾
- 塩:適量
- わさび:適量
【作り方】
- あなごの皮面にお湯をかけ、包丁の背でぬめりをこそげ落とす
- 食べやすい大きさにあなごを切る
- フライパンであなごの両面を焼く
- 焼いたあなごを器に盛り、塩とわさびを添えて完成
上品な味がクセになる「あなごの天ぷら」
あなごの天ぷらの上品な味がたまりません。
【材料】2人前
- あなご(開き):1尾
- 天ぷら粉:60g
- 油:適量
- 大根:2cmほど
- めんつゆ(3倍濃縮):小さじ4
- 水:適量
【作り方】
- 大根の皮をむいてすりおろし、水気を切っておく
- あなごの皮面にお湯をかけ、包丁の背でぬめりをこそげ落とす
- あなごを半分に切る
- ボウルに天ぷら粉と水(量は、天ぷら粉の作り方を参照)を入れて混ぜ、あなごをくぐらせる
- 鍋底から5cmほどの高さになるように油を入れ180度まで熱し、あなごを2分ほど揚げる
- 揚がったあなごの油切りをする
- めんつゆを水大さじ1で薄める
- 器にあなごを乗せ、大根おろしとめんつゆを添えて完成
揚げたインゲンや大葉などを添えると美味しくて見栄えもよいのでおすすめ。
うなぎとあなごの違い・まとめ
本記事では、次のようなうなぎとあなごの違いを紹介しました。
- 栄養
- 見た目
- 味
- 美味しい食べ方
- 値段
似ているようでそれぞれ違う魅力のある食材です。
ぜひ、うなぎとあなごを食べ比べてみてください。